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ピエール・ルメートル「悲しみのイレーヌ」

悲しみのイレーヌ

ピエール・ルメートル

はじめに

以前からルメートルの作品を読みたいと思っていて本屋に立ち寄って購入した。「悲しみのイレーヌ」のほかに「その女アレックス」「傷だらけのカミーユ」があって一番最初に書かれた作品から読みたいと思って発売された日を見ると「その女アレックス」みたいだけど何か違いそう…。その後、もう一度調べてみると、ルメートルが最初に書いたのは「悲しみのイレーヌ」のようだと分かった。日本では「その女アレックス」が先に翻訳されたから「その女アレックス」から読んだという人が多いみたい。その順番で読むより書かれた順に読んだ方がいいようなので、今回間違えずによかった。

感想

まずこのタイトルの付け方が良くないと言われているが、途中で起きてしまうことが分かってしまうので、よくないかなと思った。でもこのタイトルで結末が完全に予測できてしまうわけではないので、楽しめないこともない。

内容については、ここまで続きを気になった本に出会ったのは久しぶりだった。自分はそんなに本を読めていないし、読むのも遅いと思っていたけど、ただおもしろい本を読んでいなかっただけかもしれない。そう思えるほどだった。あと残虐な描写が続くけど、さらっと書いてあるからかそれほど嫌な気持ちにはならなかった。でも映像だと絶対に無理。

続きが気になって読み進めているうちに、今まで読んでいた内容はなんだったんだという事態に襲われ、残り100ページ程は若干混乱しながら読んだ。そして犯人が分かった時点で読むペースが少し遅くなり、「こうなって欲しい」と願っていた結末にはならず悲しくなった。

よくできている本で、登場人物の性格などの設定は最後までに見事に回収された。本文中に出てくる別の本も興味を持てた。個人的には448ページの表現が好きだった。

この本がおもしろかったので、次は「その女アレックス」を読む。こちらの方が話題になっているので、きっといい出会いになると思う。