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ピエール・ルメートル「その女アレックス」

その女アレックス

ピエール・ルメートル

はじめに

以前、「悲しみのイレーヌ」を読んで面白かったのでその続きとなる作品「その女アレックス」を読んだ。こちらもとてもよかった。他の人の感想を読むと、読んだ順番によって受け取り方が違うようでまたそれも面白いなと思った。私は「イレーヌ」の方を先に読んだからか、「イレーヌ」の方が衝撃的だった。「アレックス」の方を先に読むと「イレーヌ」の内容が何となく分かってしまって衝撃が和らいでしまうからかな。

感想

1冊を通してアレックスに寄り添いたくなるような内容だった。最初はもちろんだが、アレックスのことが徐々に明らかになってからでもアレックスのことが気になって仕方ない。そんな作品だった。

最初の方は前作と同様に描写がきつかった。生きるか死ぬかの境目ということもあって、前作よりも読んでいてつらかった。

中盤からどんどんアレックスのことが明らかになっていくわけだが、彼女が何を考えているのか分からず、理解したいという気持ちでいっぱいだった。

終盤の序盤はどうしてこうなったのか理解できず悲しくなった。カミーユやその周囲の人々によって彼女のことが分かっていく。

結末については最初よく分からなかった。ページをさかのぼれば1通りの解釈しかできないのかな。それとも人によって解釈が異なるのだろうか。最終ページのカミーユとグエンとの会話も少し怖いと感じてしまった。真実ではなく正義。

今作も登場人物の描き方が好きだった。ルイも素敵だし、アルマンもいい人。ドゥドゥーシュは放ったらかしなのだろうか。大丈夫かな。

「傷だらけのカミーユ」は読もうか迷ったけど、この機会だから読むことにした。このシリーズは一応三部作みたいで「傷だらけのカミーユ」の続きはないみたいだから。

 

jetarina.hatenadiary.jp

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