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辻村深月「スロウハイツの神様」

スロウハイツの神様

辻村深月

はじめに

ドラえもん のび太の月面探査記」が面白かったので、せっかくだから辻村作品を読んでみようと思い、この本に決めた。どうやら辻村作品には読む順番があるようで、これがいいみたいだったので、これを読み始めた(「凍りのくじら」が先でもいいみたいだけど)。

感想

 

上下巻の作品で各巻400ページほどあって、しかも図書館で借りたということで返却期限もある。普段からとてつもなく読むのが遅いので、読み終わる前に返すことになりそう、やっぱり買うべきかなと思ったけど、どちらも読み終えて返すことができた。とは言っても上巻はGW中だったので時間に余裕があり読むことができたんだけど。下巻は時間も普段通りで読めないと思っていたけど、途中から続きがすごく気になってどんどん読めてしまった。

上巻はひたすらスロウハイツの住人紹介で進む感じだけど、すでに面白かった。本や映画が好きな自分にとってその作り手の話はとても興味深かった。世界観を生み出していく人、それが売れていく人、その人たちの心情がよく分かり、スロウハイツの住人が近くにいるような気がした。

下巻は、上巻で抱いた予想とは全然違った結果となった。環の身に起こることについては途中で気づいたけど、狩野のことは全く分からなかった。最後のコーキの一言は本当に好き。スーは大丈夫かなとか、正義と仲良くして欲しいとか、莉々亜はこんな子なの?とか、読み進めている中でずっと、みんな幸せになって欲しいなとか、身近にいる人のように思って読んでいた。

しばらく読み返す予定はないけど、内容を知ってからの各住人の言動がどうだったのかをもう一度知りたくなった。でも内容をすべて消去してもう一度読みたい感じもある。もっと辻村作品を読んでいきたいと思った。

おわりに

次に読むなら「凍りのくじら」を読みたいと思う。ドラえもん、好きなので。数年前、図書館で借りたけど、結局時間がないとかで読めなかったからリベンジしたい。