空箱

empty box

東野圭吾「容疑者Xの献身」

容疑者Xの献身

東野圭吾

感想

トリックが分かった上で読むと初読では何も思わなかった描写が意味を持ってきた。

石神は非論理的でない動機で、論理的な事件にしてしまったけど、湯川だけが石神の違和感に気づき、欠けたピースの存在を知った。動機が非論理的でないため湯川がとても苦しんでいたということがよく分かった。

湯川も石神も学問をしている関係でそれに関する話がとても興味深かった。疑問を持ち、それを解消していくことや日常に数学が溢れていること、勉強する意味を教えてくれるような内容だった。

「この世に無駄な歯車なんかないし、その使い道を決められるのは歯車自身だ」という湯川の言葉はこの話に関係なく勇気づけられた。自分の道に迷ったときでも誰かの声に従う必要なないのかもしれないななんて思った。

花岡靖子に恋をしていることを気づかせないすごさを感じた。あくまでも隣人でしかないというのを貫き通したところがすごいと思った。

映画も鑑賞したけど、ラストはやはり原作の方が好き。

おわりに

数年前に原作を読んだきりだったので改めて読むことができてよかった。また何かの機会があれば読んでいきたいと思うし、ガリレオシリーズも読みたいと思った。

関連記事

jetarina.hatenadiary.jp