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夜が、今、明けた -辻村深月「朝が来る」-

朝が来る

朝が来る (文春文庫)

朝が来る (文春文庫)

 
 はじめに

映画化された「朝が来る」を読んだ。辻村さんの作品なので内容がどうであってもいつかは読むものだとは思っていた。映画化されるにあたり、特別養子縁組がテーマだということを知った。
特別養子縁組に興味があり想像よりも早くこの本を手に取った。ドラマ「コウノドリ」を見て、出産・育児に興味を持ちこの本を読んでみたいという気持ちが高まった。

感想

 特別養子縁組については受け入れる方も手放す方もさまざまな苦労があるなと思った。佐都子の母、ひかりの母…。それぞれ「母」がいることで生きづらさがあるということが分かった。そして自分たちが母になることの難しさを知った。
ひかりが転落していく様子がリアルで怖いぐらいだった。
ひかりの母は注意をするというのは自分の思い通りになっていない状態から思い通りにすることなんだなと感じた。

引用はしないが、特別養子縁組にてことども授かったときの表現がすごかった。そしてこれは最後にある人物が母親になるというのを同時に表現しているのだと思う。

母になるということ…血縁関係があってもなくても簡単になれることではないと思うけど、それは十分に分かるけど、それでももっとなりたい願う人が簡単になることができるとよいと思った。