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映画「マチネの終わりに」

マチネの終わりに (2019)

原作

平野啓一郎

監督

西谷弘

はじめに

福山雅治×石田ゆり子で映画化ということで劇場鑑賞した(感想を書くのがずいぶん遅れた)。原作を読んでから臨んだ。主演の二人に関しては年齢は10歳ぐらい上だけど、二人ほど役に合っている人はいないのではと思うほどぴったりだと感じていた。

 感想

観賞後は原作を読んだときに抱いた感想とはかなり異なっていて驚いた。全体的には、過剰演出ではないところがよかった。
原作ではもう少し前の出来事だったけど、今回の映画は2019年になって終わるものなっていた。
映画の時間の都合上もあるかもしれないが、蒔野と洋子がなぜ惹かれ合ったのかよく分からなかった。洋子がなぜ結婚を破棄するに至ったいきさつなどが省略されてしまっていたのが残念だった。
それと、時間が頻繁に変わり、過去に抱いた気持ちのまま、数年経ったと思わざるを得なくて少し違和感があった。数年経ってしまうと、人の気持ちが移り変わる可能性も十分にあり得るし、何よりも原作ではそこも描かれていた。映画ではそのあたりが描き切れていなかったのではないかなと思う。
最初に出会った日の夜のタクシーで別れるシーンとか、ここで別れていいのかとか思っていたと思うけど、普通に別れてしまったように見えた。

早苗役の桜井ユキさんがとてもよかった。
早苗が結婚する前と後で全然雰囲気の違う人になっていてすごく魅力的だなと思った。
マネージャーをしているときは蒔野、蒔野ばかりだったけど、それが結婚してから蒔野の1番の理解者だというのがよく分かった。

早苗の告白シーンについて、洋子に話したのは、洋子のためでもなく、自分の正しさではなく、蒔野のためというのがよかった。早苗は蒔野が主役の人生の脇役になりたいという意味では、その行動を起こした理由がよく分かるシーンだった。

原作では想像もできなかった「幸福の硬貨」を聴くことができて嬉しかった。クラシックギターもあまり聴く機会がなかったので想像もできなかったけど、今回聴けてよかった。

あとは洋子の母が長崎出身である必要性も映画においてはあまりなかったかなと思う。

いろいろ書いたけど、最後のシーンは好きだった。

おわりに

鑑賞してから時間が経ちすぎて、こんな感想しか書けなかった。また鑑賞する機会があれば、今後は深い感想を書いていきたいと思う。

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