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「生きること」とは -住野よる「君の膵臓をたべたい」-

君の膵臓をたべたい

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

君の膵臓をたべたい (双葉文庫)

 
はじめに

話題となっていた「君の膵臓をたべたい」を読んだ。
実写映画化の評判がよく、自分も映画を観たいと思っていたのでまずは原作を読んでみた。

感想

 中盤まで死を悲しいものと捉えていない感じがしたけど、終盤になるにつれて、軽く捉えているのは自分の方かもしれないと思った。
「死」という言葉には重みがありすぎて日常会話には出すことができない。死は悲しいものという認識が当たり前のものだった。不健康とも言えず、残りの時間がどれだけあるのか分かっていないと1日を大切に生きようとしていないかもしれない。つまり、死を全く意識していないのではないかと思えた。

1日の価値はみな平等にも関わらず、「生きること」とはどのようなものなのかは、残された時間がわずかな人にしか見えないのかもしれないと思った。

僕については、人と関わらない人がよく陥る事柄だと思った。私たちは、毎日顔を合わせている周囲の人たちは普段との違いで気分やその人の気持ちが分かるはずと思い込んでしまう。しかし、意外と周囲の人は何も気づいていない。すなわちきちんと話さないと自分のことを正しく理解してもらえない。
周囲に勘違いされてしまうからこそ、勘違いする周囲のせいにするのではなく、自分が努力すべきなんだなと改めて考えさせられた。

おわりに

原作を読み終わってから実写映画を観ようと決めていたのでようやく観ることができる。原作を読んで感じたことを映画を観ても同様のことを感じるか、それとも異なることを感じるか意識して観ていきたい。