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映画ドラえもん のび太と空の理想郷

映画ドラえもん のび太と空の理想郷(ユートピア) (2023)

原作

藤子・F・不二雄

監督

堂山卓見

脚本

古沢良太

はじめに

毎年楽しみにしている映画ドラえもんを今年も観てきた。
脚本家を見て驚いた。今年の大河ドラマを見ているからである。公開前からかなり話題となっていた「レジェント&バタフライ」の脚本を担当していたのもかなり驚いたが、それに加え映画ドラえもんも担当しているとは。オリジナル脚本ということもあり、今年も楽しみにしていた。以下、感想。

感想

全体的に古沢脚本らしい話であった。今年の大河ドラマでもたびたび感じるが、時間軸を扱うのが好きなのかなと思った。そして、今作ではそれがとてもうまく使われていて、前半の部分を後半でうまく回収していた。最後まで観るとどれも無駄のない場面ということが改めて分かり感動した。

内容については、正しいこと、それすなわち幸せなのかを問いかけてくるような映画だった。間違えたり、争ったりするからこそ人間なのかなとも思った。
そして、パーフェクトネコ型ロボットのソーニャがとてもかわいかった。「パーフェクト」ということできちんと耳があり、ドラえもんとの対比がうまく表現できていたように思う。また、ドラえもんのび太くんたちと異なり、ロボットであること、そしてソーニャと比較してパーフェクトではないからこその話の展開がとてもよかった。

この映画を観て感じたことは「ありのまま」で良いのだということと、「より良くなるために努力しなくていい」ということが同じに扱われているということ。正解はないけれど「ありのまま」で良いことと苦手なことややりたくないことはやらなくていいということが必ずしも一致しないのではないかと思う。映画のままだときっとのび太くんはこの先も遅刻したり、0点をとったりするはず。ジャイアンスネ夫くんやしずかちゃんも今のままなんだろうな。別にそれはそれで尊重するべきかもしれないけど、少しでも努力して遅刻はしない、勉強して0点を回避して現状をより良くするでも良かったのではないかと思った。律していく仕組みやルールも大事だと思うので。
でも、仕組みやルールを押し付けるとそのうちパラダピアみたいになってしまうのかなと思ってしまったり。それでものび太くんも含めてみんなそれぞれに楽しく生きて欲しいなと思える映画だった。

今作はアクションシーンが少なくてそれぞれの個性がとても光る映画だったかなと思う。パラダピアを見つけるまでのわくわく感は変わらずにあり、すこしふしぎな話を観られてよかった。

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