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映画「真夏の方程式」

真夏の方程式 (2013)

監督

西谷弘

はじめに

容疑者Xの献身」に続いて「真夏の方程式」を鑑賞した。公開時、劇場鑑賞して今回が2回目の鑑賞となる。

感想

 全部知った上で選択すること

「ある人物の人生が捻じ曲げられる」

湯川はその人物のために「全部知る」努力をして、何を教えるべきか考えたのではないだろうか。そこで、「君は一人じゃない」と話した。
これに対しては、少し未来が明るくなるのではないかと思った。悲しい事実を知ってしまったとき、全てを知った上で、自分の進む道を決めるときが来たとき、少しでもよりよい選択をして欲しいと願った。
内容に関しては上記で書いたところが全てかなとも思う。何かを選択するうえで、メリットもデメリットもきちんと知っておき、0か100や、白か黒かの二択ではなく50とかのグレーの選択も必要だなと感じることができた。

ガリレオシリーズに関しては、やはり科学の面白さを知ることができるのが楽しい。実験をしているのは楽しそうだったし、それがきちんと数式で説明できること、日常の不思議が学問と結びついていること、とても興味深かった。

 

あとは鑑賞した中での疑問点などを挙げていく。自分の中でなぜそのような行動を起こしてしまったのかと感じたところなど。みんな人間なので、その行動ひとつひとつに理由なんてないんだよ、と言われてしまえばそれまでだが…。

・塚原の行動が不可解
退職してから事件のことを捜査し出すのか、真相が分かったとして何になるのか疑問

・川畑重治はいつ塚原のことを○○しようと思ったのか
もう退職しているのにそこまでする必要があったのか。
泊まりに来たときから、というのなら同じ日に恭平が来ていたという偶然が必要となってしまう。

・川畑成実はなぜ三宅信子を○○しようと思ったのか
・川畑成実はいつから自分の父親のことを気付いたのか
成実と信子はあの日が初対面にも関わらず、彼女の話を信じたのか。
そもそも信子は仙波との関係について確信を持っておらず、節子に確認するための訪問だった。そして節子は不在だった。

・湯川はなぜ川畑家全員が秘密を持っていることに気付いたのか
天才物理学者だから…?

 

まとめてしまうと、この話のメインとなっている事件が起きるほどの動機を持ち合わせていないと感じる。殺人を犯してしまったら、その後の自分の人生がどうなるかは予想がつくと思うし、そうなることを覚悟してまで事件を起こすほど嫌な思いをしていないのではと思ってしまう。

この作品は、「一人の人間の人生が曲げられようとしている」ことから、全部知った上で選択することの大切さを知ることができたと思う。真実を知るという怖さから逃げずに全てを知った上で、自分の進む道を決める。この流れはとても考えさせられる内容だった。一方で、全てを知ろうとするほど、「なぜ」というところが多い。事件に関して別にそのような事件を起こす必要性を感じないと思ってしまう。そこが少し残念ではあった。ただ、そこまで「なぜ」と考えたのかというと全てを知りたいからで、この作品を観なければ、ここまで考えることもなかったかもしれないので、良い作品だったとは思う。

おわりに

 「容疑者Xの献身」と同様に様々なことを考えさせられる作品だった。「真夏の方程式」は原作も読んでいないので、機会があったら読みたいと思う。そしていろいろ考えていきたいと思う。

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